例年10月20日を過ぎると、くじゅう連山では大船山の御池、三俣山の大鍋の紅葉が見頃を迎える。今年も錦繍の彩りを味わおうと、三俣山に出かけてきた。
結果はご覧の通り。紅葉の色さえほとんど分からないようなありさまで、いささか拍子抜けの思いであった。
※ 本稿は2021年10月23日の山行記録を、10月27日にアップしたものです。
コースと活動概要
◆コース及び活動概要
※ 山行軌跡図はYAMAPによるもの。
0730 長者原登山口 ~ 0911 スガモリ越 ~ 0949 三俣山西峰 ~ 1020-1050 本峰(1,745m)~ 1113 北峰 ~ 1156-1233 大鍋底(昼食) ~ 1310 南峰 ~ 分岐 ~ 1344 西峰 ~ 1406 スガモリ越 ~ 1528 長者原登山口
※ 参加メンバー:4名(B氏、N氏、N氏の奥様、がしん)
活動時間(含む休憩時間) | 7時間58分 |
活動距離 | 11.4km |
累積標高上り/下り | 1,055m/1,049m |
カロリー | 4,149kcal |
※ 何度も休憩をとったため、活動時間は参考になりません。
写真中心の山行メモ
長者原登山口を午前7時30分に出発。我々と同様、スガモリ越をめざすグループがそこここに。
硫黄山道路を50mほど進むと、登山者用の臨時駐車場が開設されていた。
紅葉シーズンに入り駐車場の混雑緩和のため、11月28(日)まで開設とのこと。
2020年7月の豪雨で大規模な土石流が発生した箇所にさしかかる。「土日祝日のみ通行可能です」との看板が目に入る。
土石流で樹木がなぎ倒され、冷蔵庫ほどの大きさの石がゴロゴロ転がっている。横倒しになった木々が何とも痛ましい。
土石流に浸食された面積の広さに圧倒されてしまいそうだ。自然の猛威に言葉も出ない。
登山口から1時間ほど汗を流すと、大曲からの登山道と合流。朝の陽光に輝くススキが美しい。
N氏の奥様、この日は念願の「三俣山お鉢巡り」ができるというので、出発時からハイテンション。足取りも軽やかに先頭を切り、ぐいぐいと男どもを引っ張っていく。
9時11分、スガモリ峠着。峠の休憩所は、多くの登山者で賑わっている。
この日は三俣山の紅葉目当ての団体さんが何グループも入山しており、スガモリから西峰までの登路はけっこうな混雑だった。
見上げると、人、人、人‥‥。
振り返ると、次々に後に続く人の列。早く行けとせかされているようで、落ち着かない。
こんな時は登路を外れて一息入れ、周囲の雄大な風景を眺めるに限る。
中岳、久住山、星生山を背景に、北千里ヶ浜を歩く登山者が豆粒のように見える。
西峰を経て本峰(1,745m)に到着したのが10時20分。ここも多くの登山者で一杯だ。
いくら探しても先行する3名の姿が見えないので電話すると、Ⅳ峰にいるとのこと。どうやら分岐で右と左を取り違えたらしい。
3人を待ちながら大鍋を覗いてみると‥‥、残念! 期待した彩りにはほど遠く、あちこちで失望の声が聞こえてくる。
「寂しいねぇ」「今年は紅葉が遅いんだ」「大船山も全然色づいてないよ」と。まぁ、こればかりは自然の摂理。仕方あるまい。
秋晴れの好天に恵まれたことに感謝するとしよう。
気を取り直し、遅れて到着した3名とお鉢巡りを楽しむことにする。
本峰山頂から急降下のような下りをロープを頼りに降りていき、鞍部から北峰に向け急登を登り返す。南峰から本峰へ続く大鍋の懸崖、ここでもほとんど色づきは見られない。
北峰山頂の岩場から、切れ落ちた大鍋の底を見下ろす。高度感はなかなかのもの。
「高所恐怖症なんです」と自称していたN氏の奥様も、少しずつ慣れてきた模様。
やっと色づき始めた紅葉を見つけ、パチリ。
北峰を下ったところにある岩場、紅葉のビュースポットなのだが、寂しい限りである。
紅葉最盛期の頃は、こんな絶景を見せてくれるのに。
11時56分、大鍋の底(噴火口跡)でランチを食べることにする。我々以外に1グループがいるだけで、ほぼ独占状態であった。
シートに腰を降ろし登山靴を脱いで、ゆったりとランチを楽しむ。いつもなら360度紅葉のグラデーションを楽しめるのだが、残念至極である。
晴天と紅葉のタイミングに恵まれると、こんな風景を眺めながらのぜいたくなランチとなる。
食後のコーヒーを楽しんだ後は、大鍋の底から急登を登り返す。食後のせいか、体が重い。
あえぎながら南峰山頂に着いたのが13時10分。
「すいません、写真を撮ってもらえますか?」と声をかけてきたお嬢さん。山頂標識に右手をかけ、そのまま背中をこちらに向けポーズ‥‥。初めて目にするこのポーズ、すこぶる新鮮であった。
「あっ、うろこ雲!」という声で視線を上げると、なるほど。高く澄んだ秋空に密集する鱗雲、いいねぇ。
Ⅳ峰と本峰間の分岐を過ぎれば、往路をたどって下山するのみ、と気楽に考えていたが、この日のスガモリから先は実に長かった(小生にとっては)。
半ばヘロヘロ状態で長者原に着いたのが15時28分。休憩を多くとったとはいえ、8時間近く活動したことになる。
振り返ると、堂々とそびえる三俣山が「また来いよ」と言っているようだった。
紅葉にはまだ早かったが、今日も楽しい山歩きだった。
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